肘の内側の違和感やいやな痛みは尺側手根屈筋がポイントです。

まずは、尺側手根屈筋(しゃくそく・しゅこん・くっきん)の簡単な解剖と説明です。

~付いているところ~

上腕骨内側上顆(じょうわんこつないそくじょうか)、尺骨(肘頭(ちゅうとう))、手の豆状骨(ずじょうこつ)、有鈎骨(ゆうこうこつ)、第五中手骨に付いています。

~支配神経~

尺骨神経のC6・C7・C8

~働き~

手首を手のひら側にまげる
手首を小指の方向に曲げる

尺側手根屈筋は手首の関節の筋肉の中では、最大の力を出す筋肉です。
日常ではドアノブをひねったり、かなづちを打ったりする動き、手のひらを上に向ける動き、回外にも働きます。

~肘の内側(ゴルフ肘)の違和感や痛みとの関係~

肘を回外させたときに痛みや制限があると、尺側手根屈筋の働きが弱っています。
そうすると肘の内側の支えが弱くなって、肘が外反しやすくなってきます。

女性の場合は元から男性よりも外反角度が大きいので、特に影響を受けます

この肘が外反している状態で、肘を日常で使ったり運動をしていると、肘の内側のじん帯などに強いストレスなどが加わって、肘の内側の痛みなどが出てきます。

~ひじの内側をすっきりさせるには~

尺側手根屈筋のトレーニングを行います。
それと尺側手根屈筋と共同で働く小指の小指球筋のトレーニングを行います。

それとリンパを流すのもポイントです。

肘には肘リンパ節があり、おおもとである鎖骨のリンパ節・腋窩リンパにしっかりアプローチすることが大切です。

~まとめ~

肘が回外しにくくなると、尺側手根屈筋の働きが弱くなる。

そうすると肘の内側の支えが弱くなり、肘が外反しやすくなる。

その状態で生活や運動をするとひじの内側にストレスが来るので違和感や痛みが出る。

なのですっきりさせるには、尺側手根屈筋と小指球筋(しょうしきゅうきん)をトレーニングする。

~当院の施術として~

当院は問題の尺側手根屈筋には「JTA」をいうテクニックを使います。
関節トレーニングを開発した笹川先生が考えたテクニックです。ピンポイントで筋肉をトレーニングできます(セミナーに出席して直接指導してもらっています)。

それとリンパにはストレイン・カウンターストレインのテクニックを使います。
しっかりと状態に合わせた施術をしていきます。

ひじの内側の違和感やすっきりしない感じでお悩みの方はお気軽にご相談下さい。

参考文献:日本身体運動科学研究所

肘の困りごとには「橈側手根屈筋」

橈側手根屈筋(とうそくしゅこんくっきん)はあまり聞くことのない筋肉なんですが、肘の違和感や痛み、指の違和感や痛みに重要なポイントとなる筋肉です。

まずは橈側手根屈筋の簡単な解剖と説明です。

~付いているところ~

上腕骨内側上顆( ないそくじょうか)
前腕筋膜内面から、第二・第三中手骨(ちゅうしゅこつ)に付いています。

~動きとして~

手首を手のひらの方向に曲げる。
手首を親指の方向に曲げる。
前腕を回内(内側にひねる)させます。

~神経支配~

正中神経(C6・C7・C8)

~肘の違和感や痛みとの関係~

特に肘の外側の痛みや違和感、一般的にテニス肘といわれているものです。


橈側手根屈筋は回内(肘から先、前腕を内側にひねる)働きをします。

この橈側手根屈筋がうまく動かないと、回内ができづらくなります。
そうするとほかの筋肉に負担がかかってきます。

その筋肉が腕橈骨筋(わんとうこつきん)です。

腕橈骨筋は肘の屈曲、前腕(ひじから先)を、回内位・回外位から中間位に戻す働きをしています。つまり、肘の動きに大きく関係しています
そして図にある通り肘の外側についているので、負担がかかりすぎると肘の違和感や痛みにつながります。

~肘をすっきりとさせるには~

スムーズに回内させるために、橈側手根屈筋をトレーニングすることが大切です。
それをすることで腕橈骨筋の負担が減り、違和感や痛みがすっきりしてきます。
そして、橈側手根屈筋と連動して動く手の親指のところにある、母指球筋(ぼしきゅうきん)をトレーニングすることが重要となってきます。

さらに、リンパを流すことも大切です。
肘には肘リンパ節という大きなリンパ節もあり、鎖骨のリンパ節・腋窩リンパ節(えきかりんぱせつ)・肘リンパ節と大きなリンパ節にしっかりアプローチすることもポイントとなってきます。

~まとめ~

肘の外側のすっきりしない嫌な感じや痛みは橈側手根屈筋がうまく働かず、前腕の回内がしづらいところからはじまることが多い。

その結果、腕橈骨筋に負担がかかりすぎてテニス肘となる。

すっきりさせるためには橈側手根屈筋と母指球筋のトレーニングと、リンパを流すことが大切です。

~当院の施術として~

当院は、問題を起こしてさぼっている橈側手根屈筋に対してはJTAというテクニックを使います。
関節トレーニングを開発した笹川先生が考えたテクニックです。(セミナーに出席して直接指導してもらっています)。

その周囲の筋肉やリンパに関しては、ストレイン・カウンターストレインという技術を使います。
こちらもセミナーで直接指導されたしっかりした技術で施術をいたします。

肘と、肘の問題でお困りの方はお気軽にご相談下さい。

参考文献:日本身体運動科学研究所

小胸筋について

小胸筋とは?
肩の凝りや巻き肩、四十肩、五十肩にも関連が深い小胸筋(しょうきょうきん)の説明です。

小胸筋の場所と働き
ろっ骨の第三から第五の前面から始まって、肩甲骨の烏口突起に付着しています。
神経支配は内側胸筋神経、外側胸筋神経。
働きとしては肩甲骨の外転、肩甲骨を固定するとろっ骨を引き上げます

なぜ小胸筋は、肩こりや巻き肩、四十肩に関わるか?

同じ胸筋で大胸筋があります。その大胸筋の下にあるのが、小胸筋です。
つまりインナーマッスルです。

大胸筋は、上腕骨(腕の骨)についているので腕の骨に作用します。
小胸筋は、肩甲骨に付着しているので、肩甲骨に作用します。
この肩甲骨に作用する、というところがポイントとなります。

私たちの生活は、デスクワークでのパソコン作業や、スマートフォンを見ていたり、家事での料理など、下を向いていることが多いです。
そうすると体は丸まりがちになり、肩は内側に入りやすく、巻き肩の状態になってきます。

巻き肩とは?

肩甲骨が外転の状態になっている形のことです。
小胸筋は肩甲骨に作用し外転させるので、猫背や巻き肩の人はいつも縮んで固くなっているのです。

そして巻き肩や猫背は肩や首の問題が起こるポイントとなります。
また小胸筋の下には神経や血管が通っているので、そこが圧迫を受けると手や腕にしびれなど困ったことが起こる、小胸筋症候群(過外転症候群)になってしまいます。

自分でできること

デスクワークの時にも30分~1時間に一度は肩を外に回したり、手を後ろに組んで胸を大きく開いたりすることはよいです。

あとはストレッチです。
YouTubeなどに多く載っているので、それを見て試してみると良いと思います。

まとめ

◎私たちの生活はデスクワークや家事などで肩が丸まることが多い。
◎丸まると小胸筋は縮んでしまう。
◎小胸筋は肩甲骨に作用するので巻き肩や猫背の原因になる。
 よって肩や首の嫌な感じを出す。

当院の施術として

肩や腕の問題でも骨盤、背骨はしっかりとチェックします。
全体を見るのが大切です。
もちろん、ポイントとなる小胸筋の筋肉もしっかりとチェックします。
小胸筋は割と表面から触りやすい筋肉ですし、固くなっている人は触るとかなり痛い場所です。

当院はストレイン・カウンターストレインという細かな筋肉へのアプローチに適した技術で施術をします。
肩や腕、首の困ったことで、小胸筋を触られたことがない方は是非一度お気軽にご来院ください。

肩こりやスッキリしない首の問題にかかわりの深い胸鎖乳突筋

今回は肩こりやスッキリしない首の問題にかかわりの深い胸鎖乳突筋について

まずは、胸鎖乳突筋の簡単な説明から。

胸骨と鎖骨からスタートして、頭の側頭骨の乳様突起についている筋肉です。
なので胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)と言われます。

首にある筋肉ではもっとも太い筋肉です。

神経は、運動神経が副神経、知覚は頚神経叢で、働きは首を曲げたり回転させたりします。
頭の重さは結構重くて体重の一割くらいといわれています。
なので多くのひとは5~6キロあるというわけです。
その首を支えている大切な役割をしています。

なぜ胸鎖乳突筋は、肩や首のすっきりしない感じに関わるのか。

デスクワークやスマートフォンを使うことで私たちはいつも下を向いている形になることが多いです。

その時の姿勢で胸鎖乳突筋がいつも短く縮んでいるので伸ばしにくくなり、縮んだままで固くなっていってしまいます。
そうなると重たい頭が前にもっていかれるのでそれを支えるために首の後ろ側や肩についている筋肉に常に負担がかかり不快なスッキリとしない状態を作ってしまうのです。

自分でできることとは

一つ目はまずはストレッチです。
固く縮んでしまった筋肉はストレッチをすることで柔らかく動きやすくなります。
胸鎖乳突筋はリンパの流れにも関連が深いのでストレッチをすることで顎のラインがスッキリしてきたりもします。
YOUTUBEなどに多くストレッチの方法は載っているので見ながらやるのがおすすめです。

まとめ
◎胸鎖乳突筋は首についている筋肉では最大の筋肉で5~6キロもある頭を支えてい る。
◎スマートフォンやパソコン作業で下を向くと固く縮んでしまい伸びなくなるのでその結果、頭が前のほうに移動して肩や首の不快感を出す原因、元となる。

当院の施術

『肩や首の嫌な感じはほとんど前後のバランスの問題で起きている』
『コリのある肩や首の後ろ側は引き延ばされて負担を受けた結果』
だと考えています。

なので問題は縮んでしまっている首の胸鎖乳突筋などにあると考えます。
当院では首の前のほうにしっかりとアプローチをしていきます。
どちらかといえば問題を起こしている後ろ側ではなく、前側の問題が根本的なものと考えています。
肩こりや首コリの問題で首の前側を触られたことがない方は是非一度お試しください。

新しいベット

先日のお休みの日に注文していた新しいベットが届きました。当院のベットは全部で3台あるのですが、1台だけ電動ではないベットが有りました。幅が55センチと一番細いベットがそれだったのですがこれがついに電動ベットとなりました。

この細いベットは頻繁に使うことが多く、電動ではなかったのでしゃがんだ状態で動いたりしていたので結構自分の膝の調子が悪くなったりしていました。電動は高さを調節できるので本当に楽なんですよね。

これで当院のベットは3台すべて電動となりました。これで膝を心配することなく施術に励めます。

一人でやっている施術院なのにベットが3台とはなんだか贅沢な感じがします。けれど必要なものにはしっかりと投資をしなければですからね。これからも大切に使って長持ちさせようと思います。

肩の問題に関連の深い肩甲下筋(けんこうかきん)


肩の周りがなんだかスッキリとしない

肩が痛い
四十肩、五十肩かも

という時に関連の深い筋肉があります。
それが肩甲下筋(けんこうかきん)です。

意外とこの筋肉は悪さをします。

肩甲下筋の簡単な場所と働き

◎ついている場所
肩甲骨の裏側から上腕骨についています。
働きとしては肩を内旋する腕を内向きにひねることをします。
また、内転と伸展も行います。
神経支配は肩甲下神経です。
また肩甲下筋は棘上筋、棘下筋、小円筋で構成される回旋筋腱板(ローテーターカフ)の一つです。

ローテーターカフの役割は腕の骨(上腕骨)、肩(肩甲骨)に押し付けて安定する役割をしています。
なので肩の問題には重要なポイントとなってきます。

肩甲下筋はなぜ悪さをするのか

働きのところで書いたように肩甲下筋は肩を内旋させる筋肉です。
パソコンなど座り仕事が多いと徐々に固くなってきます。
内旋ということは巻き肩の形になるということです。

巻き肩になると猫背や肩甲骨を外側に引っ張ることにもなるだけでなく、首が前に出やすくなったり、その結果呼吸も浅くなってしまうので、疲れが取れにくくなってきます
さらに回旋筋腱板のひとつでもあるのでコリだけでなく痛みの元にもなっていきます。

自分でできることとしては

ストレッチです。
座っている仕事が多く固くなってしまった肩甲下筋はストレッチをすることで動かしやすくなってきます。
ストレッチは肩甲下筋のストレッチと調べるとYOUTUBEなどにのっているのでそれを見ながらやるとよいでしょう。

まとめ

◎座っている仕事が多いと腕が内旋、内側に向くことが多いので徐々に肩甲下筋が固くなってくる。
◎肩甲下筋は腕を内旋させるので巻き肩になる。
◎巻き肩は肩の困ったことを多く起こす元になるので肩甲下筋は肩の問題のポイントとなる。

当院として

当院は肩甲骨の裏にある肩甲下筋もストレインカウンターストレインというやり方でしっかりとケアすることができます。
肩の重要なポイントなのでしっかりと狙ってとっていきます。
もちろん全体を見た後にです。
肩の痛みや困りごとで肩甲骨の裏側を触られたことがないかたはぜひ一度お試しください。

巻き肩と前腕部

最近はパソコンなどのデスクワークやスマートフォンなどを使うことが多くなってきているので、肩が内巻きになってくる巻き肩がよく問題となっています。

猫背と巻き肩はセットが多く、肩こり、首の凝り、頭痛などの困り型のベースとなってきます。
そしてあとひとつ見落とされがちな隠れた巻き肩の元があります。


それが前腕の回内(かいない)なのです。
その説明をしていきます。

↓まず前腕の場所です↓

腕の中でも手首から肘のあたりの部分を言います。

前腕は指を動かしたりひじを曲げたり色々な働きをします。
ここでは回内の動きに注目していきます。

なぜ前腕の回外が方のうち巻きに関係あるのか?

私たちの生活はほぼ手のひらを下に向けている回内の姿勢で生活をしています。
パソコンのキーボードを打つときに手のひらを上に向けては作業ができないですからね。

基本的に手のひらを上に向けて行う作業は日常ほとんどないと思います。
そして私たちはパソコンのキーボード作業や料理や荷物を持つなど手をよく使っています。
なので前腕は気が付かないうちにハリやコリがでています。

回内の状態で使うことが多く、ハリやコリが出ていると回内の状態で前腕は固まった感じとなってきます。

前腕を回内させると方が内巻きにいきやすくなるのでこれが隠れた巻き肩の元となっているのです。

自分で手のひらを上に向けた状態の回外と手のひらを下に向けた状態の回内でどちらのほうが肩が内側にいくかを比べてみるとわかりやすいと思います。

自分でできることは?

“ストレッチをする”です。
いつも固くなっている筋肉はストレッチをすることで動きやすくなっていきます。
前腕のストレッチで調べると動画がたくさんでてくるのでそれを参考にするといいと思います。

~まとめ~
◎前腕はほとんど回内状態で働いている。
◎手を使うことが日常多いのでハリやコリがでてきやすい。
◎回内状態は肩を内巻きにする隠れた元となることが多いのでストレッチなどしていつもケアをしていく。

~当院の施術として~
肩こりだから肩をやる、首コリだから首という考えはありません。
どこに根本の元があるのかを体全体で考えていきます。
肩や首の問題で前腕を触られたことがない方はぜひ一度お試しください。

上腕二頭筋は肩こりに関わりやすい


肩が重い
肩がスッキリしない
腕がだるい
腕が重い感じがする
こんな感じに関わっていることが多い、上腕二頭筋のお話です。

ストレッチなどをすることで肩のスッキリに役立つかもしれません。


まずは簡単な上腕二頭筋の場所と役割です。

上腕二頭筋はアメリカのアニメのポパイやボディビルの人がやるように力こぶをつくる筋肉です。

働き
肘を曲げるのが主な働きで、荷物を持ったりするときによく使われます。
あとはドアを開けるときのドアノブを回す動きで働いています。

ついている場所
起始部、短頭は烏口突起、長頭は肩甲骨の関節上結節、停止部、頭骨粗面と上腕二頭筋腱膜、支配神経は筋皮神経。


なぜ上腕二頭筋にコリがでたりするのか?

デスクワークをしたりスマートフォンを使ったり、荷物を持ったりすることが私たちの生活にはとても多いです。
その時に肘が曲がっていることが多いのです。

つまり上腕二頭筋はいつも縮んでいることが多いのです。

腕をピンと伸ばしてパソコンやスマートフォンをすることはないのですからね。
いつも曲がって縮んでいると筋肉は固くなり伸びにくくなってきたりします。
それがコリやハリの原因となります。

肩や首との関連としては上腕二頭筋は肩口から肘まで伸びている筋肉なので、そこが縮んで縮んで固くなるとまき肩になりやすくなったりします。
それが肩や首の嫌な感じをだしたりする原因となります。


自分でできることとしては「ストレッチ」

いつも縮んでいる筋肉は伸ばすことで動きやすくなります。
ストレッチの動画などはYOUTUBEなどで調べるとたくさん出てくるのでそれを見てやるとよいでしょう。


まとめ

上腕二頭筋はパソコンやスマートフォン、荷物を持ったりなのでいつも縮んでいる。なので筋肉が縮んでしまい固くなり、肩口についているのでまき肩などの問題になりやすく、肩や首の嫌な感じを出しやすくするのです。


当院の施術としては、当院では肩や首のコリ、またはハリなどは前後のバランスの崩れだと考えています。

多くのとこでは肩こりや首のハリなどは背中、首を中心に施術すると思います。
当院は背中ではなく胸側の前側にある、上腕二頭筋や大胸筋、小胸筋などをしっかりと施術します。

前後のバランスをしっかりと整えることで状態はスッキリしてきます。
肩や首の嫌な感じで背中しか施術されたことのない方はぜひお試しください。

大胸筋は肩のコリやハリにつながりやすい


頭がスッキリしない
重く凝った感じがする
このような肩の嫌な感じは日本人の半数以上が経験しています。
これに深くかかわっているのが大胸筋です。
大胸筋はまき肩のもとになりやすく、その結果肩の凝りやハリのイヤな感じを出してきます。
ここではそのメカニズムと対処方法を書いていきます。


まずは大胸筋の簡単な解剖から。
大胸筋(上部中部下部の3つにわけられる)起始部、上部鎖骨の内側二分の一、中部第一から第六肋軟骨、下部腹直筋鞘前葉、上腕骨の大結節稜、支配神経は内外側胸筋神経(C5~C8)とT1


なぜ肩こりのポイントとなるのか
私たちの日常は手や腕はほとんど前で使われているので腕や手を後ろにやる動作はほとんどありません。
先ほどの解剖で書いたように大胸筋は上腕骨の前の方についているので、いつも前に引っ張られていて縮んだ状態になっています。
なので縮んで固くなってしまうので、肩をまき肩の状態にしてしまうのです。


まき肩になるとどうなるのか
肩がまき肩になってくると背中側の筋肉はずっと伸ばされっぱなしとなり、動きや循環が悪くなり、コリやハリの問題が出てきやすくなります。
まき肩になると丸まった姿勢が癖になりやすくなり、気が付かないうちに背中が丸くなる猫背が普通の姿勢になってしまいます。

このようにならないために
肩を外回しにする運動をする
そうすると胸が開いて呼吸もしやすくなります。


大胸筋のストレッチをする
このストレッチはYouTubeなどにたくさんのっているので見るとよいと思います。


まとめ
肩のコリやスッキリしないいやな感じは背中側の筋肉に出ますが、実は大きな問題は胸側の筋肉に多くあります。
腕側の縮んだ筋肉が背中側の筋肉を引っ張ってしまい、これがコリやハリなどの困りごとを起こすのです。

当院では


肩や背中の問題でもしっかり縮んでいる腕側にアプローチをしていきます。
前後のバランスが大切だからです。
いつも背中側ばかりの施術で肩や背中がスッキリしない方はぜひ一度お試しください。

肩甲骨について

最近多くの本やTVの番組などで肩甲骨を動かしましょうとよく言われています。
肩こりや首のだるさ、痛み、背中の痛みやコリにも多く関わりますし、それ以外にも重要なポイントとなる肩甲骨。ここではなぜ重要かを書いていきます。

まずは肩甲骨の簡単な解剖からです。

肩甲骨は↑で見るように肩の関節を作っている骨です。
鎖骨と上腕骨、肩甲骨で構成されています。
肩甲骨は体とつながっているのは鎖骨だけなので、ある意味宙に浮いているような感じです。

 

肩甲骨は意外と大きな骨で骨盤と同じくらいの大きさがあります。
それぐらい大きな骨なので、多くの筋肉がついています。

ここでは肩こりや首の痛みの原因となりやすい筋肉をあげていきます。

僧帽筋。
僧帽筋は肩甲骨を動かすとても大きな筋肉です。
頭、首から肩甲骨、背中についています。
長時間のデスクワークなどで負荷がかかると、緊張して硬くなります。
主に上部の方に問題が起こりやすいです。
カトリック教会の人が着るフードに似ているので、僧帽筋と呼ばれます。

肩甲挙筋。
肩甲挙筋は名前そのままの意味で、肩甲骨を持ち上げる筋肉です。
首から肩甲骨についています。
この筋肉は首の前の方についている胸鎖乳突筋の影響をうけます。
この肩甲挙筋を柔らかくするには、胸鎖乳突筋も一緒にやると効果的です。デスクワークやスマートフォンの使い過ぎなどで固くなってきます。

大菱形筋、小菱形筋。
この筋肉は背骨から肩甲骨の内側についている筋肉です。
肩甲骨を背中の方にひきつける、つまり中央に寄せる働きがあります。
胸を張るような感じになります。
通常私たちはデスクワークや下を向いて仕事することが多いので丸まりがちです。
ですのでこの筋肉はいつも引っ張られている感じとなります。この筋肉の問題に関係が深いのが前鋸筋です。
前鋸筋と菱形筋の両方を柔らかくすると効果的です。

前鋸筋。
この筋肉はあばら骨(肋骨)についていて、肩甲骨の内側についている筋肉です。
肩甲骨を前方(胸の方向)にスライドさせる働きがあります。
イメージ的にいうと肩を内巻きにする感じです。
菱形筋の働きとは逆の働きをする筋肉です。
通常私たちは仕事では胸を張ることが少なく丸まりがちなのでこの前鋸筋が縮んで動かない人が多いです。
背中が痛い人はこの筋肉を動きやすくするとよいです。

つまり背中の痛み(菱形筋の痛み)は前鋸筋に引っ張られているのが原因となります。
以上が肩こりに関連しやすい筋肉です。

すべて肩甲骨についていて肩の動きに重要な働きをしています。
通常の生活で私たちはとても便利なので、ほぼボタンひとつで様々なことができてしまいます。
そして仕事はデスクワークが多く、体を動かすことが少ないので、ほぼ肩甲骨は動いていません。
ですので肩甲骨を意識的に動かさなければだめなのです。

使わなければ肩甲骨についているこれらの筋肉は弱くなり、肩甲骨の動きも硬くなっていってしまいます。
そして肩のコリ、首の痛みが出やすくなるのです。

デスクワークの時に肩を外にまわす動きをするだけでも違うので積極的に肩甲骨を動かしていきましょう。

当院ではDRTで背骨を緩め、ストレイン・カウンターストレインで菱形筋や前鋸筋、胸鎖乳突筋や肩甲挙筋など片方だけでは問題が残る筋肉を両側からしっかりと柔らかくしていきます。
肩や首の痛みでお悩みの方はお気軽にご相談ください。